T&Eソフトの「惑星メフィウス」。
個人的にこのゲームはとにかく難解。
初めて遊んだときから30年以上経っても、未だにエンディングは見ていないわけで。
だけど、この怪しい雰囲気の画面が好き。
PC-6001/mk2版のゲームパッケージって、だいたいは違う。
何が違うって、紹介されている画像がPC-8801版とかX1版とか、キレイな画像を平気で載せてるソフトがあるけど、惑星メフィウスはP6ユーザの期待を裏切らず、P6画面でちゃんと掲載されているのが好感度高い。
ピーガーピーガーとテープから読み込みが終わると、じわじわとタイトル画面が描かれていくんだけど、しかしこれがまた遅い。
だけどパッケージには「高速中間色ペイントルーチンを使用」って書いてあったりするけど、通常のBASICとほとんど変わらない速度な気が。
音楽もなかなかの哀愁っぷり。
それでも当時の技術としてはそこそこ標準的だったと思う。
ゲームを開始したら、まずこの画面。
愛機PC-6001mk2から突然しゃべりかけてきたときはびっくりした。
「あの声」の機能が贅沢にあちこちのシーンで使われているのが、このゲームの最大の特徴かも。
そしてこのシーンでは、100%牢獄行きが保証されているわけで、だけど実はちょっと重要なシーンで、あることを忘れたまま先へ進むと、途中で進めなくなる残酷さも、当時のゲームらしい作り。
こんな感じで、牢獄へ連れて行かれてしまう。
ここでテープのロードタイム。
テープのローディングが終われば牢屋の中。
最初、ここに連れてこられて、いったい何をすればいいのか、さっぱりわからないまま2ヶ月くらい過ぎたような気が。
とりあえず、移動してみる。
外には出られないから、この部屋の中だけしか動けないけど。
横たわるおっさん。
自分一人じゃなかったんだ、という一瞬の安堵感。
「キク」とコマンドを叩いて話しかけてみる。
ここでまたP6君の音声合成が威勢よく利用されている。
適当に話をしてみるけど、あまりうまく通じない……。
しかしボロい牢屋。
壁でも叩けば壊れそうな雰囲気。
しかし、あまりウロウロする気になれない。
というのも、描画速度がとにかく遅くて、同じ画面に戻りたくないわけで。
また一人いた。
この牢屋はいったい何人収容されるんだろか?と。
話をして、とりあえず反応しそうなキーワードをいろいろ試してみる。
かな文字入力がツラいな……。
この牢屋から出ることが、ここでのミッション。
無事に牢屋を出られたら、テープのローディングタイム再び。
そしてロードが終わればスラム街のシーン。
なんだかちょっと怪しい感じの人が。
描画速度遅いのはツラいけど、とりあえずスラム街をうろうろしてみることに。
未来感のある街だけど、スラム街らしい。
話せそうな感じの人がいればとにかく聞き込み。
ここでもP6君はしゃべってくれるけど、このおばさん(?)は、マジで何言ってるのかよくわからんので、声は適当に聞きつつ、文字を読むのが基本。
そしてなんと3万ドルも手渡ししてくれる。
3万ドルってことは、300万円くらい!?いきなり金持ちに。
だけど、とあることを以前のある場所で行っていないと、お金はもらえなくてハマることに。
スラム街ってこんなんでしたっけ。
イメージとしてはもうちょい怖い印象あるけど。
あー、こういう感じ。
これがスラム街って感じが。
このシーンもわりと重要だったりする。
こういうのもいる。
どうやら自分は指名手配されているらしい。
こいつの向こう側へ行くのが、このシーンのミッションだけど、「しみんコード」とやらを質問されてしまう。
ここはいったん引き返して、街をウロウロしてみたり。
無事にスラム街を抜けたら、ここでテープのローディングタイム。
そしてまた別の街へ到着したら、ここではショッピングをいそしむことに。
結構なお金持ちになっているから、片っ端から店に飛び込んでみる。
「T&E」っていう文字が見えたり。
「なんに いたしやしょう」とか言われても、「カウ」コマンドを入力した途端に、買わされる物が決まっていたりする。
いろいろなシーンで手間の多いゲームだけど、このショッピングタイムは、とてつもなく合理的。
T&Eソフトに入ってみた。
いや、しかし、すごいな。
立ってプログラミングしてる人もいるし。
でもこの方が、腰への負担は少ないかもしれない。
ちなみに自分は椅子に座ってプログラミングしてるからなのか、腰痛持ちだったりする。
しかし、緑のバックに、赤い文字は、コンポジット出力で表示されるとなかなか読みづらい。
正直、何が書かれているのか、よくわからない……。
まぁここでも、「カウ」コマンドで一発購入。
俗に言うワンクリック購入に近いノリ。
30年以上前からそんな技術があったことを、今改めて目の当たりにするとこれはかなり先に進んでたソフトなんだと、そう思い知らされてしまう。
お買い物が済んだら、砂漠へ放り出されてしまう。
足跡っすか。なるほど。
砂漠っすね。なるほど。
この砂漠、22 x 22のエリアで合計484ということがパッケージに勝ち誇るように書かれてるけど、だけど画面の変化がほとんど無くて、延々とこういう感じの画面が繰り広げられるのは、わりとプレイヤーに残酷だと思うわけで。
オアシス、ですが……。
こんな感じで砂漠をウロウロして、妙な音が聞こえたら画面中を調べまくったりする。
だけど調べる時のカーソルがこれまたゆっくり動作で。
自分にはこの砂漠を越えられそうに無くて、毎回ここのシーンでP6君の電源を切ってしまう……。
恐らくは一生、エンディング画面は見られなさそう。
説明書の一部。
「Mr. スターアサー」
ん?ちょっと違和感が。
おまけ。
T&Eソフトのカタログ表紙。
カタログの中。
そしてカタログの裏。
開発スタッフ募集中ですよ。
この頃のゲーム開発って一番楽しそうな気がする。
なんていうか、夢へのチャレンジっていう感じ。
まだまだ発展途上なマイコンで、毎月どこかのメーカーが新しいマイコンを発表して、どんどん急速に進化してた。
8ビットマシンから16ビットマシンへ移り変わる前までの進化は本当に目まぐるしくて、毎月のように新しいマイコンのカタログをお店からもらってきて、それを眺めては感動してた時代。
ただ単にCPUクロックが速くなるとか、ただ単に価格が安くなるとか、そういう今のようなパソコンの進化の仕方ではなくて、この時の8ビットマイコンは常に今までに無かったものが搭載されていくすごい時代。
今では廃れてしまって使われなくなってしまった「フロッピーディスクドライブ」が本体に搭載されるだけでも「うわ!」と仰け反るほどの衝撃。
そしてこの時代のもう1つすごかったことは、ソフトウェアの進化。
ハードの性能を極限まで活かすプログラミング技術を各ソフトメーカーが競ってた。
ハードに頼りまくってコードを書くような甘い時代ではなかったからこそ、すごいプログラマも多く存在した時代だったと思う。