8ビット箱

ミステリーハウス

まずは最初に紹介したいのは、マイクロキャビンのミステリーハウス。

初めて遊んだアドベンチャーゲームだから、このゲームに対しての思い入れは半端ない。 知ったきっかけは、雑誌(ベーマガだったかな)に紹介されていたのを見たからだったと思う。 そして、いつか絶対ミステリーハウスを遊びたいと、ほぼ毎日夢でうなされたあの頃が、つい先日のように思い出すことができる。

ミステリーハウス

そして、しかも発売当初からパッケージにはすでに「<I>」という表記が印刷されているのは流石はマイクロキャビンといったところなのか、それを裏切らずに、しっかりと第2弾が後に発売されるわけで。 ようやく手にしたときの感動、そしてテープを初めてデータレコーダーへ突っ込んだときの漲るワクワク感。 慎重に「CLOAD」とキーボードを叩いてテープからじわじわとプログラムをロード、5分くらいかな、ピーガーピーガーとテープから読み込むのを待つ。 この待っている間も貴重な時間。 パッケージを何度も見直したり、データレコーダーの中でくるくる回るカセットテープを眺めたり、英単語を効率良く入力するために、英和辞書で予め想定できる必要そうな単語を調べてたり……。

ミステリーハウス
ロードが終わると、いよいよ「RUN」を叩くときが訪れる。
そしてオープニング画面。 描画は丁寧に線を1本ずつ引かれていく、その細かさについ見とれてしまう。 線画を描いている間、パピコン本体からは「てれーっ、てれーーっ。 てててれてー。 てれーれれー、てれれれれーれーーー・・・」と、不気味さを醸し出すPSG特有のあの音でBGMが奏でてくれる。 このとき、部屋の電気は消しておく方が、より効果的。

ミステリーハウス
まずは物語の説明が。 > あなた は いま ミステリーハウス の まえ に > います。 > このなか に かくされている ダイヤモンド を > みつけだして ください。 > コマンド は えいごで にゅうりょく を > し return を おしてください。 > あたま3もじ で はんだんします。 > たとえば help なら hel です。 > ほうこう は カーソルキー です。ただし > かいだん を あがるのは up です。 > みつけた もの は take してください。 > > Start Hit any key ! ということで、キーを叩きつければゲーム開始!

ミステリーハウス
ゲームを開始すると、いきなり立ちはだかるドア。
暗い部屋でぼんやり映る、この白い線だけで描かれた画面を見ると、本当にドアが目の前に現れたような、そんな錯覚に陥ってしまう。 コンポジット出力のおかげで、緑や赤色に少しにじんだ色がさらに怪しい雰囲気を増大。
「Hit any key !」
壊れない程度にキーボードを叩きつけて、コマンド入力の画面へ。

ミステリーハウス
勝手に部屋に入って良いのか?と、やや躊躇しつつも、中に入らなければ始まらないのは十分に小学生の頭でも理解できる。 ドアを開けたいので「どうする?」は「open」を、「なにを?」は「door」を入力してみる。

ミステリーハウス
ドアが開いた。
前の丁寧な説明にあった通り、カーソルキーの「上矢印(↑)」を押下して前へ進むと、いよいよミステリーハウスへ侵入(いや違う)、入館することに。

ミステリーハウス
さすが洋館。
和風なちゃぶ台とか、ざぶとんとかではなく、テーブルと椅子が置かれている。 ちゃぶ台をリアルに使っていた時代も生活してた自分としては、感動もひとしお。

ミステリーハウス
部屋をうろうろ移動してみると、何か入ってそうなラックに遭遇。
扉があれば、開けたくなる、それが人間の心理。

ミステリーハウス
開けてみた……。
そして、開いたら「調べる」。
これがこのゲームのお約束。
そして、調べるときは「search」。
探すの「find」では通じない。

ミステリーハウス
「candle が あるよ!」と少々驚きつつも、嬉しくて軽くガッツポーズ。
しかしここで「ろうそくがあるよ!」では無いところがうれしい。 というのも「ろうそくがあるよ!」と表示されたら、このゲームは入力が英単語だから、ここで和英辞書を引っ張り出してきて「ろうそくは、えーとえーと……」と単語を探す時間の浪費へとつながってしまう。 さすがはマイクロキャビン。 ユーザインタフェイスも一級品。 今風で言うと、ユーザビリティ、だろうか。 いわゆるこれが、日本が誇る「おもてなし精神」から成り立っているのかもしれないと個人的には思う。

ミステリーハウス
炊事場には冷蔵庫が。すごい高級な食材が入ってそう。
でも、ここで日本なら確実に「炊飯器」があるはずだけど、それは残念ながら見当たらない。 向こうの人はお米を食べないの?

ミステリーハウス
オープニングでもわかる通り、この屋敷(ミステリーハウス)は2階建て。
一軒家に住んだことのない自分としては、家の中に階段があって、そして2階へ上がる、という贅沢な世界は知らないけれど、このゲームで仮想的ではあるけどそんな夢のような体験をさせてもらえるのもまたすごい。 1980年代の8ビットマシンのゲームで、すでにバーチャルリアリティが実現している。

ミステリーハウス
暖炉もある。
こういうのって、外国の映画でしか目にしない代物だけど、こうやっていとも簡単に目の前に暖炉が現れる。 何も知らない小学生は、この暖炉を目の前にし、どうしてよいのやら悩むわけで。 火をつけるといいのかな?とか。
あ。暖炉の横にまた扉が。
開きそうなものはとにかく「open」する。
これ、鉄則。

ミステリーハウス
さすが、この一言で表現する以外に言葉が見つからない。
しゃれた絵が飾ってあるのは、洋館ならでは。 映画でよくあるけど、こういうのは横へ動かしたりすると、裏から何か出てきたりする。 これを目の当たりにしてしまったら、その衝動を抑えることは無理というもの。

ミステリーハウス
やっぱり……。
そして出てきたのは「safe」と。
セーフ?
ん?
安全なのか?
いや違う。
なんだろう?とここで英和辞書をめくる……。

こんな調子でゲームを進めていき、最後にダイヤモンドを頂いたころには、すっかり英単語をマスターしてしまっている。 CAI的な学習効果も抜群なゲームソフト。 このゲームを買ってくれた親に感謝しつつ、そしてこの効果を堂々と伝えることができたのも、また良い思い出。 実際、小学生時代にこのゲームを初めて遊んだときは、とにかく英単語がわからず、毎回何か出てきたら英和辞書で調べまくる。 それまで辞書なんてほとんど開くことがなかった自分を見たわたしの親は「やっぱりマイコンって勉強になる」と思ったに違いない。

当時のアドベンチャーゲームは英単語を入力して進めるのが多く、ゲームを進めることは「合った英単語を探し出す」という感じだったような気もする。 たとえばゲームによって物を取るときは「take」ではなくて「get」と打たないと取れなかったり、柱が出てきたら磨かないと先へ進めなくて「polish」という単語がなかなか思いつかなくて大変だったり。 当時のこのジャンル(アドベンチャーゲーム)は目新しくもあり、結構流行っていて、ベーマガ(BASICマガジン)でもアドベンチャーゲームのページが用意されていて。 そのページが楽しみで毎月欠かさずベーマガを買っては読んで、画面写真もしっかり載っていて、それだけでアドベンチャーゲームをやったような気分にもなれてすごく楽しかったわけで。 実際にゲームをするときも、わからなくなったらそれを見てヒントを探したり。

このゲームをきっかけに、アドベンチャーゲームの虜になったのは、容易にご想像いただけるかと。 少しでも当時のアドベンチャーゲームをお伝えできていれば、と思いつつここで筆を置かせていただきたいと思う。

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