ボンバーマン
[PC-6001ソフト] DATE:2021.02.11
80年代マイコンブームの真っただ中。
ようやく初めて手にしたマイコンはNEC PC-6001mk2、そしてその時に一緒に買ったゲームは、「ミステリーハウス」と今回お伝えする「ボンバーマン」。

当時、この2本のゲームを手にすることがずっと憧れで、親にねだりまくって買ってもらえるまでは、近所にある「イズミヤ」っていうスーパーにあったマイコンコーナーへ毎日通っていた小学生時代。
そのイズミヤのマイコンコーナーで動いているのを見たゲームが「ボンバーマン」。
ボンバーマンが動いていた機種は、真っ赤な色のマシンSHARP X1。
恐らくは、近所の子たちが自分で持ってきたボンバーマンを、店頭のマシンで動かしてたと思う。
あの時代は、マイコン本体を買うお金が無くゲームソフトだけを買って、家電屋やスーパーマーケットにあるマイコンコーナーへ行って、そこで展示されているデモ機を使って、堂々と自分のゲームソフト(カセットテープ)を突っ込んでロードして遊んでる子供たちが普通にたくさんいて。
すくなくとも、自分の近くの家電屋やスーパーは、そういう状況だったから、他の地域は違うかもしれないけど。
個人的にはハドソンというソフトメーカーが一番名を世に知らしめたゲームだと思う。
すごろくのゲームよりも、こっちかなと思う。
あとは、デゼニランドかな? デゼニランドについてはまた後日にでも書くつもり。
PC-6001mk2を買った理由は、本体価格が当時としては低価格帯で、家のテレビがモニターとして映し出せるから専用RGBモニター不要。
そして、漢字も表示できて、しかも音声合成で喋るという、武田鉄矢のテレビCMもまた感動的。
あとは、友人に遊ばせてもらって感動したPC-8001mk2と同じNECならきっと悪くない、という謎の意思決定した要素。

当時のマイコンゲームを遊ぶとなれば、メディアはカセットテープが主流。
データレコーダーを使って、カセットテープからロード。
ゲームが遊べるようになるまでに、10分くらいは平気で待たされる。
大作のゲームとかになると、ロードに30分くらい待たされることも。
PC-6001mk2のボンバーマンは7~8分というくらいで、わりと短め。
ちなみに心配事は徐々にテープがワカメ状態になって、ロード時にエラーが起こりやすくなるわけで、それを回避するためにカセットテープのダブルデッキを使ってバックアップを取ったりしてた時代。
今ある、この手持ちのボンバーマンはオリジナルのカセットテープだけど全然大丈夫。
ピーガーの音もしっかり、よれた感じもなく、安定した音。
慣れてくると、このピーガーを聞いて「そろそろテープやばいかな」とか、事前に察知できる特殊身体能力が身についてくる。

ボンバーマンに魅かれた最大のポイントは、やっぱりあの画面。
そして風船の動きと、爆弾が爆発したときの音、そしてあの縦横に広がる白煙の動き。
ゲームセンター級のゲームが目の前のコンピュータで動いている!という感動。
マイコンゲームは、当時のコンピュータ性能の限界も低く、ダイナミックな動きのあるゲームは少なくて、ボンバーマンの存在感は自分にとってとてもすごく強烈なものだったわけで。
タイトル画面を見ているだけで、ドキドキワクワクがもうすごいわけで。
ゲーム画面は黒バックに迷路のような赤レンガという、おどろおどろしい雰囲気もまた当時小学生だった自分は、ちょっとした恐怖映画を見ているような緊張感も。

風船には表情があって、怒った感じの風船はものすごく執拗に追いかけてくるこの恐怖感。
鬼ごっこしているような、そういう緊迫感。
壊せるレンガをひたすら爆弾で壊して宝物を探すことに専念したり、脱出用出口が出てきたら爆弾で壊して、そこから怒り狂った風船をわざとたくさん出して遊んだり。
いろんな遊び方ができる、最初のボンバーマン。
いろんな機種へ移植されたし、ボンバーマンは進化したけど、個人的にはこの最初のオリジナルなボンバーマンが今でも1番好き。
ところでPC-6001mk2はパッケージにもかかれている通り「おしゃべり」する。
ゲームを始めると「げーむ、すたーとー」って、頼りない棒読みな感じの音声合成の声が聞ける。
なんとなく、ちょっとかわいらしい声。
いわゆる「コンピューターが喋ってます」という、わかりやすい声。
これはPC-6001mk2版だけの特別なボンバーマン。

とにかくひたすら毎日遊んだゲーム。
学校がある日は、学校から帰ったらすぐテープ回してロード。
土曜日の朝はめちゃくちゃ早起きして、朝ごはん食べてる間にテープ回してロード。
ボンバーマンで遊ぶ毎日を送った小学生時代。
大人になった今、中古で見つけて、また、つい買ってしまった。

今もまた、毎日ではないけれど、時々はテープ回してロードして遊んでる、本当に自分の中での超長寿ゲーム。
当時マイコンにのめり込んだ小学生が、そのマイコンゲームにのめり込み、そして今、ゲーム業界で仕事しているなんて、当時の小学生だった自分は全く想像もしていなかったけれど、たぶんあの時代に受けた衝撃や感動が、今の人生の流れを作っているんだろうなと、ちょっとだけそう思うわけで。
そう思うと、贅沢品はなかなか買ってくれなかった親だけど、唯一マイコンを買い与えてくれた両親には本当に感謝しなくてはと、大人になった今もそう思いつつ、そしてまた今日もテープ回して、ロードして、ボンバーマン遊んでる。
ボンバーマンを世に出してくれたハドソンにも感謝。