8ビット箱

PC Demoscene

厳密にはマイコンネタだけど、「House-eey」と名乗り始めたキッカケがこのPCデモシーンだったりするので。

まだパソコンの性能も今ほど良くはなくて、3DなCGをリアルタイムに描画しようと思ったら、まだちょっと大変な時代もあって、その頃のマイブームと言えば、PCデモやメガデモを見ることだったけど、その時に出会ったTrackerアプリ「Scream Tracker」を使い始めたきっかけで、PCデモの2作品へ参加した思い出話でも。

その頃は、ようやくインターネットも普及し始めたころで、だけど1995年前後では接続方法としては常時接続ではなく、電話回線を使ってアナログモデム繋いで、ピーガーピーガー鳴らして繋いでた時代。接続スピードも9600bps辺りから54Kbpsが最高速度だった時代で、速度の単位は、「ギガ」でもなく、「メガ」でもなく、「キロ」。

接続している間は、リアルに電話の通話代として料金がかかるわけで、メールを送受信するとき、ファイルをダウンロードするときに、こまめにネットへ接続・切断して、電話料金の節約をするという、そういう時代。

その時代のコンピューター性能で、と言えば、知らない人も何となくぼんやりと想像できるかも?

そういう時代のパソコンで、リッチなCGをリアルタイムに描画したり、音楽を奏でたりするのは、結構至難の業で、メガデモやPCデモはパソコンの性能限界ギリギリ活かして、CGや音楽の再生を「プログラミングして楽しむ」みたいな、一種のパソコン上でのジャンルみたいな、個人的にはそういう感覚でデモシーンを楽しんでた。

自分がTracker(音楽担当)として参加したデモを、今日、YouTubeへ動画としてアップしてみたので紹介してみることに。 どちらも、今となってはMS-DOSをリアルに動かせるマシンは無いので(一応、Gravis Ultrasoundと、Ultrasound MAXは今も保管してる)、今時のDosboxアプリで動かして、その動画をキャプチャーしてみた。 どちらのデモも問題なく見ることもできたし、GUSのボードもエミュレートして音楽もしっかり鳴ったのには驚いてしまった。 これなら、当時大好きだったFuture crewのデモとかも問題なく見れるかも。


まずは「男海」。
日本国内では、最初のdemo sceneみたいな感じのイベントで公開したデモで、どうやって曲を作っていいのか悩みながらの試行錯誤で取り組んだ懐かしい作品。 この作品の後、曲を提供してほしいっていう依頼が増えて楽しかった。 何もかもが実験的で研究的なもので、常にいろんな技術が目に見えて日々進化していた時代。 今のような焼き直しや、他のものとくっつけて「はい、できました!」っていうインスタントにモノを生み出すようなことではない、キラキラしていた時代。

デモ落としたい人はこちらでどうぞ。
pouet.net: https://www.pouet.net/prod.php?which=19254


そして次に「HYPE」。
シンガポールで開催されるThe Scene 1996で公開したデモで、CoderもGfxの人もシンガポールの人。 慣れない英語で、メールでやり取りしながら曲を作っていったけど、そういう言語(英語)の壁がなかなか大変だった。 以前からS3Mの自作曲をCD-ROM FTPサイト(っていう、パブリックな有名FTPサイトが昔あった)へアップして公開していたのもあって、Coderさんから、直接メールで声かけてもらったのがきっかけ。 この時のインターネットの凄さや、未来への可能性っていうのを、ものすごく感じることができた、古き良きインターネット時代。 今みたいな、SNSで人を攻めまくる時代とは大違いの、性善説で大丈夫だった時代。 肝心のデモシーンのイベントでは、残念ながら良い結果は出せなかったけど(音を再生する機材がめっちゃショボショボだったらしい)、全体的に悪くないと思うけどなぁ・・・。

デモ落としたい人はこちらでどうぞ。
pouet.net: https://www.pouet.net/prod.php?which=72303


PC demo以外にも、当時いくつか独自に公開したS3Mがまだあるけど、さすがに恥ずかしすぎる出来栄えだから、ここでは紹介しないのでもし見つけてもそっと暖かくゴミ箱へ入れて頂ければと。

ひさびさに、この2つのデモを観て聴いて、懐かしさに浸りまくりな日曜日の昼下がり。

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