8ビット箱

パソコンサンデー

「マイコン」と呼ばれていた時代から「パソコン」と呼び方が変化しつつあった頃にやっていたテレビ番組「パソコンサンデー」。 シャープがスポンサーで、番組の中で取り扱われるパソコンは全てシャープ。 この番組が始まったすぐ辺りから、最終回までほぼ見逃さず毎週日曜日に観ていた番組。 番組では副音声を使って、あのテープの「ぴーがー」を流していて、その音を録音してパソコンへロードすると、番組内で紹介されたプログラムが動き出すという、超画期的かつ遊び心満載な実験(?)もあったけど、ものすごく悔しかったのは、その頃の家にあったテレビでは、昭和時代のよくあるチャンネルを「がちゃがちゃ」っと回すやつで、当然ながら副音声なんて受信できないテレビ。 そもそも、持っていた機種はPC-6001mkIIだったから、副音声で流れるシャープMZ用のプログラムはロードできないんだけど……。

ところで、この番組で流れるコマーシャルがすごく好きで。 もちろんスポンサーはシャープだから、CMも全てシャープ製品。 特に好きで思い入れのあるCMはMZ-2500っていう機種。

「ぼくのパソコンには翼がある!」

とか聞いて何かを思い出せる人と酒でも飲みたい……。 当時はパソコン通信もまだまだマイナーな世界で、MZ-2500のCMではニューヨークに住んでる兄貴とのメールを交換するシーンがあって、あれを観るたびに「いつかパソコン使って、遠い誰かとメッセージをやり取りできるのかなー」と、いつも頭の中で夢を描いていた幼き時代の自分。

当時自分の夢は「パソコン使って、仕事をするようになったらいいな」と。

今どき、仕事場にパソコンがあって、メールやウェブを使うなんて当たり前の時代だけど、パソコンサンデーを観ていたあの頃は、家にパソコンがあるっていうだけでも結構すごくて、会社や事務所にパソコンが1台あるかないか、という時代だったわけで。 そういう時代に「パソコン通信」というキーワードは、ほぼSFの世界。

あくまでも個人的に、あくまでも自分の生まれ育った環境でのお話。 なんていうか、何に対してもちょっとしたことがSF映画の中のような話で、何かが実現されると、1つ1つに驚いていたし、それを手にしたときはドキドキしまくりで。

当時も今のように「不便を便利にしていく」という流れでもあるんだけど、そもそも「無いものが生み出される」ことがとても多かった時代だから、今よりもそういうドキドキ感は強かったのかな?って思っているわけで。

今の時代では「既にあるものを、更に便利にしていく」というものしか出会えていない気が。 だから「へー。これが、あれよりも更に良くなったなー。」くらいで終了。 当時は「なにこれ?こんなのなかった!」がどんどん溢れ出てきていたから。 今の時代で何かを作っている人たちは(わたしも含めて)、既存のものをアップデートするくらいのレベルになってしまったのかなぁって勝手に想像してしまう。 もしかして、自分が徐々に年を重ねて、新しいものが出てくることに慣れてしまったのかな……?

あっ、パソコンサンデーの話に戻そう。

個人的にとても印象があった出演者は「X」を「えっきす」と呼ぶ宮川さん。 残念ながら既にお亡くなりになってしまった人だけど、宮川さんが教えてくれるプログラムのコーナーは毎回とても楽しみにして観てた。 当時、プログラム(BASIC)のことを勉強するとなれば本を買って読むけど、テレビで教えてくれるっていうのもまたすごく新鮮で、説明もすごくわかりやすくて、N60-Basicユーザだった自分でも、プログラムというものはこういう感じで書いていくんだ、っていうのを理解するには十分な内容。

インタビューのコーナーもすごく好きだった。 ソフトハウスへ行ってインタビューしたり、小学生プログラマーにインタビューしたり、街角のパソコンショップでインタビューしたり。 その中でもすごく好きだったのは、ソフトハウスでのインタビュー。 パソコンソフトを作っている人たちに直接インタビューして、ゲームソフトとかの画面が映っていたり、小さなソフトハウスでは家の中を仕事場にしているところもあったりで、パソコンの面白さだけでなく、そういう会社の雰囲気がうかがえるのもまた興味津々で。 こういう現場って、あまり情報もなくてわからないし、当時は今よりももっと珍しい存在だったソフトハウスでもあったから、とても貴重な映像だと思う。 すごく後悔しているのは、最初からビデオに録れなかったこと。

と言っても、副音声も聞けないテレビのある家に、ビデオデッキなんて高価なものは無くて……。

DVDとかブルーレイで発売してくれないかな……。

出たら絶対買う。

保存用も含めて2セット買う。

版権とか、権利関係で無理かな……。

出てくるパソコンですごく欲しくなったのはMZ-1500っていう機種。 QD(クイックディスク)が魅力的だったし、PSG音源が2つ搭載されて贅沢に6重和音まで出せるってなれば、ベーマガに載っているゲームミュージックの楽譜を打ち込みまくれる!と思って。 そして近くのパソコンソフトレンタル屋さんで売られていた中古のMZ-1500を買ってしまったわけで。 「管理人のこと」ページでも書いたけど、AMDEKのCMU-800もついてて、当時の「ゲームミュージックをマイコンで打ち込みまくる」という自分としては最高のコンビネーション。

山下章さんが紹介するマイコンゲームのコーナーもめちゃくちゃ好きだった。 この人と言えば、自分としては「アドベンチャーゲーム」しか結びつかないわけで。 自分もアドベンチャーゲームがゲームのジャンルとしては1番好きで、PC-6001mkIIやX1で遊んだゲームの過半数がアドベンチャーゲーム。

そして番組に長く登場していたMZ-2000という機種にも憧れてた。 グリーンディスプレイと、データーレコーダー、そしてキーボードが一体型になっているMZシリーズの最高上位機種。 このスタイルのMZは、MZ-2000が最後。 ゲームするならカラーディスプレイの方が向いているんだろうけど、この「緑色」一色の画面にはなぜかとてつもなく憧れてしまって。 あの小さな画面もまた、それはそれでカッコ良くて、個人的にはMacintosh PlusとかSE/30の一体型筐体にも勝るデザインだと思う。 当時のシャープのパソコンはどれもデザインが本当に良くて。

段々と時代が過ぎていって、X68000が発表されたときもまたびっくりした。 もちろんシャープだからこそのデザイン、マンハッタンシェイプもカッコ良すぎてびっくりしたけど、何といってもあの「グラディウス」がゲーセン画面とほぼ同じ感じで動いていたのは衝撃的。 グラディウスをやり込んだ人からの意見としては、アーケード版とはちょっと違うらしいけど、パソコンであれだけ綺麗にキャラクターが動くんだからすごすぎる。 アーケード版の音源チップと同じでは無いけど、X68000搭載のFM音源 YM2151で再現されたBGMもすごくよかった。

パソコンサンデーの事を語りだすとまだまだ止まらない……。

パソコンサンデーをまた観たいけど、もし今、似たようなテレビ番組を作ったとしても、たぶん面白くないだろうなぁって思う。 それは時代が変わってしまった、っていう一言で片付いてしまうかもしれないけど。 今こういうテレビ番組作ったとしても、最新スマホを紹介したり、誰でもすぐ探せば見つかるようなアプリの紹介したり、ウェブ見ればすぐ見つかるランキングとかやったり、そういう「流し見」できそうな番組になりそう。

パソコンサンデーは決して流し見とかできる番組では無かった。

と、個人的には思うわけで。

面白い時代でした。

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